

Cyber Physical System
Laboratory
センシング技術/データ解析/機械学習の活用により
仮想空間(Cyber)と現実空間(Physical)を
融合したデータ駆動型社会の実現を目指す研究室
本研究室の学生有志「Cookie Eater」が取り組んだプロジェクトの動画(YouTube)が公開されています。
現在、スマホの動作・状態推定技術として研究で取り組んでいる技術を活用しています。
現在、実証実験先を探しているので、ご関心のある方は、お気軽にご連絡ください。
岩手県立大学ソフトウェア情報学部
堀川研究室 (教授:堀川三好)
Our Research
Development of Technology in 2022
01
動作推定
小型センサデバイスやスマートホンから取得できる加速度・ジャイロ等のセンサ値から、人間の動作・状態を推定するための機械学習モデルを開発しています。
①Attentionモデル
センサデータの分野ではLSTMが多く用いられていますが、Attentionを用いた動作推定を開発しています。これにより、XAI(説明可能なAI)を目指しています。
②マルチモーダル学習
各種センサ情報に加え、電波強度や骨格推定等、複数種類の特徴量を入力し、統合的に動作推定するモデルを開発しています。
③状態推定
短期的な動作推定や環境情報を用いて、長期的な状態推定を行う手法を開発しています。
④データオギュメンテーション
CT-GANを用いた不均衡データがある場合のデータ拡張を開発しています。
04
ナレッジグラフ
インターネット上にある様々な情報源から収集した情報を用いてグラフ構造化する、知識ベースを開発しています。新しい研究テーマで、まだ模索している所です。
①動的ナレッジグラフの生成
WikiやSNSから自然言語や画像を収集し、機械学習を通して動的に更新されるナレッジグラフの生成技術を開発しています。
02
GNN(グラフニューラルネットワーク)
グラフ(ノードとエッジで構成されるデータ構造)問題を扱うニューラルネットワークの技術開発をしています。特に、現在は人間の骨格推定を行い、GNNを用いた動作推定に取り組んでいます。
①GNN系モデルの精度検証
日々、精度向上するGNN系の拡張モデル(GCN/GAT/GC-LSTM等)を用いて、骨格推定を用いた動作推定の精度比較を行っています。
②不明瞭な動画を用いた動作推定
人物を撮影した動画は、障害物や人物の交差など必ずしも綺麗に撮影できないケースも多々あります。そのような場合でも推定精度が高いモデルの開発のため環境情報を含めたマルチモーダル学習に取り組んでいます。
③個別識別
広い範囲に複数台のカメラを設置した場合、人物の個別認識が重要になります。この問題を骨格データから身体的特徴量を抽出し、個別認識する技術を開発しています。
03
屋内測位
従来から取り組んでいたビーコンを用いた屋内測位手法の開発に加えて、加速度・ジャイロ等のモーション情報と電波強度を組み合わせた機械学習による測位技術の開発に取り組んでいます。
①電波強度を用いた測位手法
三点測位とフィンガープリント方式の特徴を併せ持つ測位手法や統計的手法による近接ビーコン判定手法の開発に取り組み、企業様に技術提供しています。
②機械学習を用いた測位手法
小型センサデバイスを用いて取得される電波強度やモーション情報をもとに、マルチモーダル学習による位置推定を開発しています。
③教師ラベルの自動生成
②の実施にあたり、センサデータの教師ラベル付けは手間がかかります。①の技術や動画解析からデータセットに自動で教師ラベルを生成する技術開発に取り組んでいます。
05
Webパーソナライズ
Webブラウザから取得できるセンサ情報を用いて「01:動作推定」の技術を使い動作・状態推定を行い、独自サービスのWebパーソナライズ・アプリを開発しています。
①動的レイアウト・コンテンツ生成
スマートホン保持者の動作・状態推定結果により動的にレイアウトや表示コンテンツが変わるWebアプリの開発をしています。(関心のあるWeb企業様募集中)
②操作のいらないWebアプリ
利用者の動作・状態推定から「自動でカメラ撮影」「口コミ情報を表示」「現在地表示」等、操作・入力が不要な小売店向けWebアプリを開発しています。
③レコメンデーション
従来の閲覧・購買履歴に加え、動作・状態推定を加えた協調フィルタリングや強化学習を用いたECサイトのレコメンド手法を開発しています。
06
工場の見える化
株式会社イーアールアイ様と開発した簡易センサデバイス「InQross」から取得されるデータを用いて「03:屋内測位」、および「02:GNN」の技術を用いて工場内の作業者の行動分析に取り組んでいます。
①スマートタグを用いた行動分析
簡易センサデバイスから収集されるデータおよび屋内測位技術を用いて容易に作成できる作業者の行動分析を、様々な企業で実証実験しています(事例:カシオ計算機様)。
②動画解析を用いた行動推定
Pose & Hand Estimation から得られる骨格データをもとにGNNによる行動推定やセンサデータと組み合わせたマルチモーダル学習に取り組んでいます。(実証実験先の製造業様募集中)
Development of Technology before 2021
07
地域の可視化
WikiやSNSから地域印関するデータを収集し、「04:ナレッジグラフ」の技術を用いて持続的に更新される地域の可視化に取り組んでいます。
「そろそろ自然言語を...」の感じで、今年から取り組み始めた新テーマなので実用段階ではありませんが、興味のある学生の皆さんは、研究プロジェクトに参加してみてください。
08
ロボットアーム
ロボットアームが人に代わってスマートフォン向けアプリケーションの稼働を24時間365日監視する「ロボットアーム型アプリ稼働監視サービス」を開発し、DNPコミュニケーションデザイン様で事業化しました。
画像認識技術やRPAの研究として取り組んだ成果を、企業様の課題に適用した事例になります。
09
ドローン
ドローンの無人着地の精度向上のため、ビーコンを用いたドローンの電波誘導システムを開発しました。
自動追尾航法と中継地点経由航法を開発しています。
ドローンによる物流配送が広まった時には、必要になる技術だと思います。
11
ビーコン測位
本研究室の産学連携の原点のプロジェクトとなります。
DNPデジタルコム(現DNPコミュニケーションデザイン)様と開発し、東京駅や新宿駅の屋内ナビゲーション実証実験における測位エンジンとして利用されました。
この技術は、現在もスマートタグ等で利用されています。
Education

研究方針
「実社会で役に立つ技術開発」を目指して研究を進めています。
トップカンファレンス等における技術動向をモニタリングしながら、数年先の社会で必要となる要素技術を考察し、独自の技術開発を進めながら国内外の学会発表、論文投稿や特許出願を行います。
併せて、社会動向のモニタリングや企業様から課題提示いただきながら、要素技術を用いた社会課題の解決に向けて共同研究・事業化支援を積極的に行います。
「学会は通過点、社会を変えるイノベーションを!」の心意気で研究に取り組んでいます。

教育方針
デザイン思考やアジャイル開発を積極的に取り入れて、「イノベーティブなサービスを生み出すには?」を教育の柱にしています。
毎週のゼミは計画ミーティングや最新トピックスの共有など、授業というよりはメンバーの知識を共有する場としています。
研究活動に限らず、メンバーの自発的活動(外部コンテスト、長期インターン、PBL活動)等への参加を積極的に促しています。

保有技術
学生主体の特許出願を推奨しています。
2014年以降、出願中7件、登録5件となります。
多くは単独出願しており、特許出願をしてから企業様に技術提供をして利用していただく形が多いです。