


Cyber Physical System
Laboratory
センシング技術/データ解析/機械学習の活用により
仮想空間(Cyber)と現実空間(Physical)を
融合したデータ駆動型社会の実現を目指す研究室
岩手県立大学ソフトウェア情報学部
堀川研究室 (教授:堀川三好)
Our Research
01
Smart Factory
センシングや機械学習を活用して工場全体の見える化を行う技術開発を進めています。現在は、主に作業者の行動分析を主に取り組んでいます。
これまでに、動画解析による「定置での作業者の動作推定」や小型センシングデバイスによる「移動する作業者の行動分析」に関する技術を開発し、実証実験に取り組んできました。その結果、小型センシングデバイスは、共同研究先の株式会社イーアールアイ様で「InQrossカイゼンメーカー」として販売されています。これらのデモ動画は、Youtubeをご参照ください。
現在は、実証実験を通して課題となった事を解決するため、動画解析とセンシングデバイスを併用することで、
①不明瞭な動画を用いた動作推定
②センシングデバイスを用いた動画の正解ラベルの自動化
③外観が似ている作業者の個人識別
についてグラフニューラルネットワーク等の機械学習を用いて取り組んでいます。
この研究については、常時ご協力をいただく製造業様を募集しています。
02
Web パーソナライズ
Webの閲覧履歴や場所・時間によって、利用者に適した情報を配信するWebパーソナライズ技術は、広く活用されています。この研究では、さらに「利用者の状態」をWebパーソナライズに活用することで、新しいWebサービスを創出しようというものです。
これまでに、WebブラウザのJavaScriptで得られる加速度・角速度データを使って以下の2技術を確立しました。
1.利用者の動作推定(歩く・階段・寝転ぶ・静止)
2.状態区間推定(変化点検知手法を適用)
現在は、上記2つを組み合わせて「状態」とし、状態に応じたインターフェースの動的生成やECサイトのレコメンドや平均滞在時間の増加を目指したプロトタイプを作成しています。
この研究については、科学研究費助成事業・基盤研究C(2021年度-2023年度)をいただき実施しています。また、技術活用いただけるIT企業様を募集しています。
この技術を活用して、研究室の学生達が地域企業と協働で開発した健康推進Webアプリは、こちら(Youtube)をください。
03
人流解析
04
センサデータ活用
企業様からの依頼で、Wi-Fiプローブ要求を用いた人流解析に取り組んでいます。
従来からWi-Fiプローブ要求を用いた人流解析は提案されていましたが、モバイル端末のプライバシー強化のためにMacアドレスがランダム化されたのを受け、利用が難しくなっていました。
これを受け、Macアドレスを用いずWi-Fiプローブ要求にある情報のみで機械学習を使ってエリア内の端末台数を推定する技術を開発しています。
現状では、トンネル火災時の濃煙空間を想定した実証実験をしていますが、RasPI等の簡易コンピュータで計測できる技術ですので、店舗滞在人数の把握など、マーケティングへの応用も検討していく予定です。
こういった企業様からの依頼による技術検討も引き受けますのでお問い合わせください。
様々なセンシングデータを機械学習で利用する研究を吸進めています。
事例1)マルチモーダル学習による屋内測位精度の向上
電波強度を用いるビーコン測位で、測位誤差1m以内を目指しています。現状は、教師データの自動生成手法の確立と電波強度と加速度・角速度データのマルチモーダル学習により高精度測位手法の開発に取り組んでいます。
事例2)センサデータとGNNを用いた作業者の行動予測
工場の作業者の行動予測を、センサデータとグラフニューラルネットワークから行う研究をしています。短期的なボトルネック工程を予測することで、次世代の生産管理システムへの活用を検討しています。
事例3)人の行動とコミュニケーションの関係の可視化
オフィスにおける人の行動と、それにより生じる会話量の関係を可視化する研究を進めています。
これらの技術は開発中ですが、興味がある企業様はお問い合わせください。
05
地域活動のデジタル化
岩手県山田町との地域協働研究(2023年-2024年度)として取り組む、プロジェクト型研究です。
全国で課題となる自治会(町内会)の在り方について考えながら、地域活動にデジタル技術を活用するプロジェクトとなります。
本研究室に配属されたばかりの3年生を中心に、以下の3つに取り組みます。
①自治会活動支援のためのICT活用
②地域活動の可視化のためのSNS活用
③デジタル化普及のための人材育成
Past Research
06
ロボットアーム
ロボットアームが人に代わってスマートフォン向けアプリケーションの稼働を24時間365日監視する「ロボットアーム型アプリ稼働監視サービス」を開発し、DNPコミュニケーションデザイン様で事業化しました。
画像認識技術やRPAの研究として取り組んだ成果を、企業様の課題に適用した事例になります。
07
ドローン
ドローンの無人着地の精度向上のため、ビーコンを用いたドローンの電波誘導システムを開発しました。
自動追尾航法と中継地点経由航法を開発しています。
ドローンによる物流配送が広まった時には、必要になる技術だと思います。
08
ナビゲーション
本研究室の産学連携の原点のプロジェクトとなります。
DNPデジタルコム(現DNPコミュニケーションデザイン)様と開発し、東京駅や新宿駅の屋内ナビゲーション実証実験における測位エンジンとして利用されました。
この技術は、現在もスマートタグ等で利用されています。
Education

研究方針
「実社会で役に立つ技術開発」を目指して研究を進めています。
トップカンファレンス等における技術動向をモニタリングしながら、数年先の社会で必要となる要素技術を考察し、独自の技術開発を進めながら国内外の学会発表、論文投稿や特許出願を行います。
併せて、社会動向のモニタリングや企業様から課題提示いただきながら、要素技術を用いた社会課題の解決に向けて共同研究・事業化支援を積極的に行います。
「学会は通過点、社会を変えるイノベーションを!」の心意気で研究に取り組んでいます。

教育方針
デザイン思考やアジャイル開発を積極的に取り入れて、「イノベーティブなサービスを生み出すには?」を教育の柱にしています。
毎週のゼミは計画ミーティングや最新トピックスの共有など、授業というよりはメンバーの知識を共有する場としています。
研究活動に限らず、メンバーの自発的活動(外部コンテスト、長期インターン、PBL活動)等への参加を積極的に促しています。

保有技術
学生主体の特許出願を推奨しています。
多くは単独出願しており、特許出願をしてから企業様に技術提供をして利用していただく形が多いです。